2012年04月13日
オトコなら一度は言いたい言葉

ここを通りたければ俺を倒してからにしな。
オトコたるもの
一度は言ってみたい言葉ってあるじゃないですか。
冒頭の言葉然り。
残念ながら今現在まで
この言葉を使用したことは一度もないですけど。
むしろこういう事態から逃げてたフシがありますけど。
なにせ安全第一、平和第一でしたから。
でもね、やっぱりこういう言葉って言ってみたいんですよ。
オトコのロマンとでも言いましょうか。
例えば、
敵のアジトで潜入捜査を続けていた僕は
ボスの一人娘と恋に落ち、一緒に遠くへ逃げることを決意する・・・
なんてことは、現実ではよくある話じゃないですか。
でも大体途中でボスに見つかっちゃうんですよね。
そうなると当然追われるわけです。
だってボスだから。しかも一人娘だから。
だからと言って、僕達の気持ちは変わりません。
この先にふたりで安らかに暮らせる場所があると信じて
必死に逃げるんです。
深く暗い森の中を躓きそうな彼女を支えながら、
それでも必死に励まし合い逃げるんです。
そしてやがて森を抜けます。
しかしそこは大地の裂け目がありました。
大昔、まだ人間がその姿を現してないほど大昔の地球に
一体何があったのかわかりませんが、
その頃に出来たと思われる裂け目があるんです。
幅は約1メートル40センチ。大体そのくらいが丁度いい。
だが決して飛び越せない裂け目ではありません。
ちょっと助走つければ飛び越せるはずなんですが、
彼女はその深い裂け目に足が竦んで、
その場に座り込んでしまいます。
息を切らし涙を流し、
やっぱり逃げ切れないと弱音を吐く彼女を必死に励まし、
やがて僕はある決意をします。
自分が犠牲になってでも彼女を助ける、と。
追手はすぐそこまで来ています。
少しの猶予もありません。
僕は急いで裂け目に自分の体を横たえると、
泣きじゃくる彼女に向かって
「僕を渡って向こうに行け!」
と叫ぼうとしたんですけど

現実は意外と地味ですね。
やらなくて良かった。



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