日々是好日

俺はこの世に生を受けた事を、
少しも不幸だとは思っていない。
むしろ幸せだと思う。

貧しいけれども毎日笑顔がある。
教養はないがなんとか働いている。
自慢出来るほどの取り柄もないが家族がいる。
欲がない訳ではないが、今のままでも良いとも思っている。
そう思えると言う事は、やはり幸せな証拠なのだろう。

しかし時々思う事がある。
俺の存在意義は何だろう。

人には必ず生かされる理由があるというが、
俺はそうは思わない。
単純に歴史を紐解くだけでもそれくらい分かる。
大量の人の命を奪ったものに
一体どんな存在意義があるというのか。
後の平和への切っ掛けにはなったとしても、
不幸を味わったものへの慰めにはならない。
もし平和こそが慰めだと思っているのであれば
それは生きているものの都合の良い解釈だ。

それと同じだ。
俺の存在を都合良く解釈してくれる人は居るだろう。
だが言ってみれば、それだけだ。
俺の存在なんて解釈一つでどうにでもなると言う事だ。
だから俺は不安なのだ。
溜まらなく不安になるのだ。
本当に俺は存在していいのだろうか。

幾ら考えても、俺の頭じゃ切っ掛けすら掴めないが
しかしそれでも俺はここにいる。
相変わらず存在意義が分からぬまま









裸で立っている。




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