日々是好日

長老の心の傷も癒えたでしょうから、そろそろお話しします。



先日いつも通りのコースを散歩していると

後ろからチリンチリンと涼しげな鈴の音が聞えてきました。

長老はまだ気づいていなかったのですが、

それに気づいた僕が振り向くと

そこには・・・











鈴付きの首輪をした、育ちの良さそうな可愛い猫ちゃんが。

縄張りを荒らされないように、警戒してるのかな？

と思っていたのですが






意外なことに猫ちゃんの方から長老に近づいてきました。

気づいた長老もようやく自分に好意を抱いてくれる子が現れたと大喜び。

しっぽをぶんぶん振り回して気持ちに答えようと必死でした。

受け入れ体勢は、既にマックスバリュー。



しかし、いつまでたっても猫ちゃんは長老の元に来てくれません。

あなたからアプローチをかけてきたのに、どうした事でしょうか。



そして、いよいよ我慢出来なくなった長老は、

自ら積極的にアタックすることに決めたのです。











ふぅーーーって言われました。(毛が逆立ってます)



ええっ！？　なんで戦闘態勢！？

これには普段冷静な僕もびっくり。

あなたが先にアプローチしてきたのに。

それではあまりにも長老が可哀想過ぎます。

予想外の展開に長老もおたおたしているようにも見えました。

長老・・・。



しかし



考えれば、これも仕方ないのかも知れません。

猫と犬では、ジャンルが違います。

所詮叶わぬ恋だったのでしょう。

だから、いつまでも気持ちを引きずっていたのではダメです。

長老にも明るい未来があるはずです。

過去は水に流して、前を見て欲しい。

そう思った僕は、

ショックで歩くこともままならない長老を






代わりに引きずりながら、

何とか家にまで帰ったのですが、






さすがに堪えたようです。

長老の背中が小さく見えます。




そして、





ようやく落ち着いたのか

今にも消え入りそうな声で、聞いてきました。





長老「気持ちに答えようとしたワシが振られるってのは・・・システムとしてどうなんだ？」



・・・



僕「・・・あると思います。」



・・・



・・・



・・・




長老「・・・そうか。」



遠い目をした長老の横顔が忘れられません。