日々是好日

時間を取らせて本当にすまないが、
少しだけオレの話に付き合って欲しいんだ。
もしかしたら只の言い訳になるかもしれない。
それが嫌なら続きは読まなくてもいい。
そのまま帰ってくれても結構だ。

では、聞いてくれ。

オレは毎日朝は愛犬と散歩と決めている。
健康にも良いし、何より愛犬が喜ぶ。
だから雨だろうが台風だろうが出来るだけ
散歩にはいくようにしてるんだ。

今日は雨上がりだったせいか、少し肌寒かった。
だからと言うわけではないが、
ふといつもとは違うコースをとってみたくなったんだ。
別に悪くはないだろう？
自由ってのは、そういうもんだ。

最初は滞りなく散歩も進んでいた。
当然だ。
オレを遮れるものなんかいるはずがない。
バレンタインデーでさえいなかったのだ。
・・・
いや、それはここで話す事ではない。

話をもとに戻そう。



そうしているうちに、いつものようにうちの愛犬が催してきた。
犬だって、生き物だ。
催す事は別に恥ずべき事じゃない。
自信を持って堂々とすればいい。
オレはこいつの堂々とした所も好きなのだ。
好きなだけしろ。
後はオレが必ず責任をとってやる。
最近は責任をとらない飼い主も多いが、オレは違う。
どんな草の分け目に入ろうがきっちりと落とし前はつける。
だから何も心配しなくて良い。
思いっきりしろ。

その時までは、そう思ってたんだ。



余談だが、今オレは３０代半ばだ。
平々凡々と生きてきたように見られるが、
それなりに修羅場をくぐってきたつもりだ。
当然絶望に立ち尽くすような事も何度もあった。
何度膝を折りそうになったかわからない。
その度に膝をついたら終わりだ！
少しでも良いから足を踏み出せ！
絶対に膝をつくな！
そう自身を鼓舞して一人立ち上がって来たのだ。
今までに負けはない。
負ける事を知らない人間には深みがないと言う奴も居るが、
そんな事はこれっぽっちも気にしない。
勝つものだからこそ到達出来る深みというのもあるはずだ。

だが、今日は違った。
このオレが・・・このオレでさえも
目の前の光景に手も足も出なかったのだ。
とたんに膝の力が抜け、何度鼓舞しても、
いつもは踏み出せるはずの一歩が出なかった。

そしてとうとう、オレは膝をついた。
負けだ。
完敗だった。
天を仰いではみたが、
あいにく今日のような天気では、
敗者を慰めてくれるようなお天道さんはいない。
こんなオレにはお似合いな天気だ。





おっと、すまない。
話が長くなってしまった。
”負け”と言う奴は無口な人間をも饒舌にしてしまうらしい。
だから負けた奴は言い訳が多いのか、それはわからないが、
ただオレもまだまだ未熟だと言う事は痛いほどわかった。

ではオレの敗因を教えよう。

















あえるの奴、この中に糞垂れやがった。
手も足もでやしねぇ。