日々是好日

「あたし、いつものーっ！」

昨日夕食を食べに行ったら
元気にそう注文する小さな女のコがいましてね。
可愛らしい事この上なかったんですが、
ふとその歳で既にそういう注文が通じる
達人なのかと考えたら、
自分の発育の悪さにがっかりしました。
pia masaです。こんにちは。

行きつけの店ってのに憧れましてね。
店に入って席に着くなり

僕「いつもの」
店「はいよ！」

こういうやり取りに憧れたんです。
なんかオトナな感じでイイじゃないですか。
たまに世間話や愚痴なんかを言って、
おやじさんに慰められちゃったりしてね。
そうするうちにもっと仲良くなって
金借りちゃｔ


会社が引っ越す前に、
あるうどん屋さんに毎週通いつめましてね。
頻度としては週一くらいだったんですが、
よく同じ物を頼んでいたせいか、
ようやく僕の存在を覚えてくれたんですよ。

だからある日、
そろそろいい頃合いだろうと、
いつもにこにこ笑顔でお茶とおしぼりを
持ってきてくれるおばちゃん店員さんに、

「いつもの」

と勇気を振り絞って頼んでみたんです。
そしたら見事に通じるじゃないですか！
やっと僕にも行きつけの店が見つかったと、
もう嬉しくってですね。
嬉々として次の週も食べに行ったんです。

僕が店に入って席につくじゃないですか。
いつもニコニコおばちゃん店員さんが
お茶とおしぼりを持ってくるじゃないですか。
そしたらすかさず例のセリフですよ。

「いつもの！」




なぜかおばちゃん店員さんが言いましてん。

「あ、はい。」

ちょっと面食らいましたけど、
ほら僕小心者だから。
当然良い返事をしちゃうじゃないですか。
それに間違いじゃないですから。
いつもの頼もうとしてましたから。
いつもの大好きですから。
いつものLOVE！

でもたまには別のも食べたいじゃないですか
カレーうどんなんかその最たるモノですよね。
だから今日こそはと意を決して席につき
「カレーうｄ」

おばちゃん「いつもの！」

「あ、はい。」

今日は豪華に海老天な気分だな。
今日こそは今日だけは
絶対に譲れない戦いが僕にはあｒ

おばちゃん「いつもの！」

「あ、はい。」

おばちゃん僕の呼吸を完全に読んでるのか
いつも一呼吸早く、しかもあのニコニコ笑顔で
先手を打ってくるおかげで、それ以来僕は





いつものタヌキうどんしか食べれてません。




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