日々是好日

出頭してきた訳で。

って嘘ですよ？　わかってると思うけど。

ほんと別に何をしたってわけではないですよ。
と言うか何かをやらかすには僕は若すぎます。
やっぱり内側から滲み出る自然の黒さがね。
それなりに歳を取らないと出ないんじゃないかと。
それ考えたら僕なんかまだ白い白い。
もう真っ白。純白。むしろあまりにも純白すぎて




余裕でおっぱいに見えます。(警官に手招きされながら。)

うん。

まぁ正確に言うと県警本部に行ってきましてね。
目的はって言うと話せば長くなるですけど、
掻い摘んで話すと、いつぞやの某地方誌で
県警本部の食堂が我々一般市民にも
解放されている書いてあったので
ちょっとばかりお昼をいただきに行ったんですが
別に掻い摘まなくてもよくなくなくなくなくね？

ま、そんな訳で。

警察といえばカツ丼だろうって事で
くたびれたトレンチコートを着た刑事に
田舎のおふくろの話を聞かされながら
しんしんと泣きつつカツ丼をかきこもうと
そう決心して向かった県警本部食堂は
意外と普通の食堂でありまして。

黙秘した僕の胸ぐらを突然掴みかかる刑事もいなければ
涙もろい僕を泣き落としにかかる刑事もいなく
普通にほんと普通に、一緒に出頭した
ムックそっくりの会社の先輩と向い合って
これまた普通のカツ丼を黙々と食べておりました。

でもそんな中でもただひとつ普通ではなかったと言えば、
それは先輩の頼んだカツ丼の肉がどこにも見当たらなく
ペラペラになったタダの薄い衣だけが乗っかっており、
僕の目の前でセットのちゃんぽんをすすりながら
ひとりむせび泣いていたんですがこれ何丼ですか？

衣丼？？　油丼？？　パン粉丼？？

というか

美味しいネタを持って行かれた僕の方が




泣きたかったです。




なんてね。




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